2008年4月20日号
都内の渋滞対策に最先端技術
「ハイパースムーズ作戦」を開始
「ハイパースムーズ作戦」を開始
東京都の生活・経済活動にとって、最大のネックとなっている交通渋滞。その解消に向けては三環状道路の整備や交差点の改良などが進められているが、未だに満足できるレベルに達していないのが現状だ。
そのため、東京都では今年度から即効性のある渋滞対策として新たに「ハイパースムーズ作戦」を開始する。この作戦は、最先端のITS(高度道路交通システム)技術を活用して信号を制御するなど、人、道路、車両を一体的にとらえ、交通の円滑化を図ろうというもの。
これまでの対策が交差点を中心とした「点」の対策だったのに対し、路線区間単位の「線」の対策へと拡大するのが大きな特徴で、ハード対策にソフト対策を組み合わせたものとも言える。
今年度対象となるのは、都内の七路線(環八、環七、昭和通り、目白通り、青梅街道、靖国通り、京葉道路)のうちとくに渋滞の著しい区間で、ITSを活用した需要予測信号制御(一定時間後の交通量を予測し最適な信号制御を実施)を行うとともに、交通情報板(経路ごとの旅行時間などの情報を提供)を設置する。
さらに、渋滞の原因の一つとなっている路上荷さばき対策として、「荷さばきパーキングメーター」を整備するほか、客待ちタクシーの解消策についても検討を進めていく方針だ。
東京都では、今回の作戦の実施により、対象路線区間のピーク時の旅行時間(特定の距離を進むのにかかる時間)の三〇%短縮を目指すとしており、CO2の削減にも寄与するものと期待している。