2008年3月20日号
現場から
(3)Q&Aで都民に話したい
(三月十一日・石原知事)
●…開会中の都議会定例会の最大の争点となっているのが新銀行東京への追加出資問題。
四百億円という巨額の税金を投入することで本当に銀行が再建できるのか、株主としての東京都の責任はどうなっているのか等々、石原知事の公約として誕生したことから、連日マスコミにも大きく取り上げられていた。
経営悪化が伝えられても「追加出資はしない」と明言してきた知事だったが、一転して追加出資を認めたことで批判が集中、記者会見でも話題が新銀行東京に及ぶと表情が険しくなる場面もあった。
●…この問題では「まず議会に話すべき」と、一貫して記者会見などでの詳細な説明を拒んできた石原知事、十一日の予算特別委員会での質疑では自民、公明の質問に丁寧に答え、再建にかける意気込みを強調した。これが功を奏し、自民が追加出資に一定の理解を示したことで、第一関門を無事突破したようだ。
委員会終了後、記者団に囲まれた石原知事、ホッと安堵の表情を見せたのが印象的だった。
常々、都民に直接語りかけることを大事にしている知事、この日の質疑が都民の理解を得るにはまだ不十分ということなのだろう。
●…新銀行東京の再建策として追加出資を行うしか道がないこと、四百億円の支出根拠などを議会以上に丁寧に説明することは、石原知事の意気込みを強く印象付けることにつながりそうだ。