2008年3月20日号
2016年五輪招致への道
(3)開催都市決定、その数時間の攻防
運命の日は、来年10月2日。コペンハーゲンで開かれるIOC総会で、2016年オリンピック開催都市が決定される。
IOC委員の多数決によって決まるのだが、これがなかなか微妙な心理戦となるらしい。投票に参加するIOC委員は、アジア21名、オセアニア5名、ヨーロッパ52名、北中南米18名、アフリカ19名の計115名(2007年6月現在)。投票はいずれかの立候補都市が過半数を獲得するまで何度でも行う。
2012年を例にとると、結果的にはロンドンの独走勝利ではあるものの、他都市に投じられていた票が、じわじわと流れていくさまがよくわかる。何回になろうと投票は1日のうちに終えるので、その場でジタバタしようもない。
ご承知の通り、何年もかけて書類審査や現地調査など数々の関門をくぐりぬけ、ふるいにかけられてきた都市ばかりなので、甲乙つけがたいのは当然。そうなると、委員の奥様の「あの都市に行ってみたいわ」なんていう一言が効いたとか効かないとか……。
単純に魅力的な都市かどうかという点においては、東京は負けたくないものである。