2008年1月21日号
2016年五輪招致への道(1)
東京はいま、どの「競技場」にいる?
1月15日、東京オリンピック招致委員会は、10日に国際オリンピック委員会(IOC)に提出した「申請ファイル」の内容を公開した。
「申請ファイル」は、オリンピック・パラリンピック開催計画の概要を記したもので、IOCが示した25項目の質問に対する回答書である。立候補を予定している都市名はすでにIOCが発表していたが、この申請ファイルの提出をもって正式に名乗りをあげた、ということになる。
招致委員会の河野一郎事務総長は発表にあたり、「いよいよスタートラインに立ったという印象。東京が五輪を招致するに値する力を持った都市であることを確信した」と述べた。
今回ファイルを提出したのは、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードなど東京を含め計7都市。6月のIOC理事会で候補が数都市に絞られ、評価委員会の現地調査などをへて、来年10月に開催地が決定される。
「他都市との比較より、まず東京の明確なビジョンを示すことが重要」(河野事務総長)だが、今夏に北京五輪を控え、招致レースは加速度を増していくことになる。東京がオリンピックにできることは。そして、オリンピックは何をもたらしてくれるのか。今後の活動に期待したい。
コンセプトは「東京の都市全体がオリンピックパークになる」というもの。95%の競技施設を半径8km以内におさめた「コンパクトさ」を強調した計画だ。湾岸部の「東京ベイゾーン」と、日本武道館や代々木体育館など、1964年東京五輪以来の現役施設を使う「ヘリテッジゾーン」という大きく2つのゾーンで構成している。