拠点整備で都市再生図る
上下水道整備
東京都の水道は、明治31年の通水開始以来、都民生活や首都東京の都市活動を支えてきたが、施設の老朽化や震災への対応、さらに安全でおいしい水の供給など事業内容は複雑・多様化している。そのため、水道局では「水道経営プラン2007」(計画期間3年間)に基づき各種の施策に取り組んでいるところだ。
現在、東村山浄水場、三郷浄水場、朝霞浄水場などで高度浄水施設の建設を進めており、2013年度までに利根川水系の全浄水場に高度浄水処理を順次導入する予定だ。
このほか、送配水管の新設・取替、公立小学校の直結給水化、大口径給水管の耐震強化も進める。
一方、下水道は汚水処理による生活環境の改善や、雨水排除による浸水対策、良好な水循環の形成といった役割を担っているが、老朽化施設の更新がまったなしとなっている。そのほかにも、都市型水害への対応や温暖化対策など課題は多い。
さらに、環境への取組では「アースプラン2004」に基づき、汚泥を高温で焼却して温室効果ガスを削減しているほか、汚泥から炭化物を製造し、発電燃料として売却する、国内初の取組、「汚泥炭化事業」も開始している。
都市の再開発
東京都が進める都市再生は、都市をリニューアルすることで、活力を向上させるととともに、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた21世紀にふさわしい東京への再生を図るのが目的だ。そのため、都市の再開発による拠点整備の果たす役割は大きい。
この拠点整備では現在、区部において、大手町・丸の内・有楽町地区における国際ビジネス拠点の形成、品川駅・田町駅周辺地域での環境モデル都市づくり、渋谷駅周辺地域の再編整備、臨海部における都市基盤整備などを推進している。このほか、汐留地区、秋葉原地区などで土地区画整理事業が、北新宿などで市街地再開発事業が進められている。
さらに民間活力を生かしたまちづくりにも力を入れており、本年3月に竣工した南青山一丁目団地のほか、港南四丁目第三団地、東村山市本町地区などでもプロジェクトを進めていく予定だ。
また、木造住宅密集地域の解消では、道路整備と一体的に進める「沿道まちづくり」などにより、沿道の不燃化、共同化を促していくとしている。
一方、羽田空港の国際化に向けた再拡張事業については、国が実施する4本目の滑走路建設に1千億円の無利子貸付を行い、早期完成をバックアップしているところだ。