2008年6月20日号
「学校フレッシュ水道」を実施
公立小学校の水飲栓を直結給水化
東京都では、次世代を担う小学生が水道水のおいしさを実感できるよう、都内の小学校で水飲栓を直結給水化するモデル事業を実施している。
都内の小学校の多くは、貯水槽にいったん水道水を貯留し、各階の蛇口まで給水する方式をとっている。しかし、学校では土日に水を使わないことなどにより、貯水槽の中で水が滞留する事例が多い。また子どもの頃から水道に対して不安や不満を持ったまま成長すると、その印象はなかなか拭い去ることはできない。
このような背景から、学校にフレッシュな水道水を届けるという意味で、「学校フレッシュ水道」という愛称を付けて平成19年度からモデル事業を実施している。
なお、学校は震災時に避難場所となるため、現在使用している貯水槽はそのまま残している。普段はトイレ洗浄用として使うため、水が長期間滞留することはなく、震災時にも安心して貯水槽の水を利用することができるという。
モデル事業では、学校施設を管理している区市町の教育委員会が工事を実施し、都水道局はこれに対し技術面で協力するとともに、工事費用の一部を負担している。
平成19年度は31校で工事を実施し、平成20年度までに計400校を対象枠としてモデル事業を進めていく計画だ。
すでに本事業を実施した学校で行ったアンケートでは、「家から水筒を持参」と答えた児童は事業実施前後で2割から1割に減少したほか、「学校で水道の水を飲む」と答えた児童が8割を超えるなど、大きな成果が上がっている。
都水道局では、こうした取り組みを通じて、蛇口から直接水を飲むという日本が誇る水道文化を確実に次世代に継承していく考えだ。