第II期区間の事業を推進
■JR南武線(稲田堤〜府中本町駅間)連続立体交差事業
本事業は、東京都を事業主体として稲城市とJR東日本が連携し、南武線の矢野口駅、稲城長沼駅及び南多摩駅の三駅を含む約四・三kmについて道路と鉄道との連続立体交差化を行うものである。
本事業では、十五ヵ所の踏切を除却するとともに、五ヵ所の都市計画道路の立体交差化を実現する。南武線は稲城市内において、まちを分断するように位置しており、鶴川街道や府中街道などの踏切部において、慢性的な交通渋滞の大きな要因となっていた。このような状況を改善し、地域の一体化を図るため、駅周辺区画整理事業とともに本事業が進められている。
本事業の進め方は、鶴川街道における矢野口踏切の早期除却を優先させるため、矢野口駅を中心とした区間約一・九km(以降I期区間と称す)を先行的に高架化し、その後、稲城長沼駅・南多摩駅を中心とした区間約二・四km(以後II期区間と称す)を高架化する計画である。
I期区間の高架化工事は、仮線方式で実施した。これは在来線の北側に仮線用地を確保した後、在来線を北側に切換え、空いた在来線用地に高架橋を建設し、最終的に線路を高架橋上に切換えるものである。
平成十七年十月に第I期区間の延長約一・九kmの高架上切換が完了し、都計道多三・一・六号線(鶴川街道)の立体交差化など稲田堤駅〜稲城長沼駅間の合計八ヵ所の踏切除却を完了した。
また矢野口駅においては、エレベータやエスカレータを設置し、バリアフリー化が図られ、利用者の利便性、快適性が向上した。さらに駅周辺区画整理事業との連携や仮線用地の側道整備により、総合的な街づくりの推進に大きく貢献している。
II期区間については、平成十八年三月に仮線工事を着手、I区を三分割し工事を進めている。高架橋の施工方式は、I期区間と同様の仮線方式で行っている。工事は段階施工部の高架橋の脇にII期区間の仮線に擦りつけるための仮高架橋(L=約五百mのスロープ)の施工、仮ホーム及び軌道工事がほぼ完成し、現在仮上り線切換えに向け、信号、電車線といった電気関係の工事を進めているところである。今後とも安全性、経済性を維持しながら、事業の早期完成を目指し、鋭意工事を進めていく。