平成24年度に全線立体化
この事業は京浜急行本線の平和島駅から六郷土手駅(事業区間約四・七km)、同空港線の京急蒲田駅から大鳥居駅(事業区間約一・三km)の区間を連続的に立体交差するもの。
事業は、東京都の都市計画事業として平成十一年三月に都市計画決定され、工事は平成十三年十二月より、鋭意進めている。
事業区間には、環状第八号線や国道十五号(第一京浜)を含む二十八ヵ所の踏切があり、慢性的な交通渋滞が発生し、周辺地域も分断され、都市活性化の阻害要因となっている。
また、京急蒲田駅は本線と空港線が分岐する列車運行上、重要な駅である。羽田空港の再拡張と国際化を平成二十二年に控え、当駅を中心としたアクセスの向上と旅客需要増加の対応が求められている。
事業は、早期立体化と事業効果の早期発現の観点から、事業区間の一部を仮線工法から直接高架工法へ変更し、工期短縮を図っている。
工事の状況は、全区間高架化に先駆け進めてきた環状第八号線の仮立体化区間(延長約八百m)の仮設高架橋が完成しており、今春の上り線仮立体化を目指し、軌道・電気・通信工事を進めている。
一方、直接高架工法区間では、二種類(杭施工用、柱・梁・スラブ架設用)の直接高架施工機五組十台が稼動し、高架橋が建ち並んできている。また、この工法には、日本初となる高架橋部材(柱・梁・スラブ)のフルプレキャスト化を導入し、現場作業の省力化を図っている。
仮線工法区間のうち京急蒲田駅部は、平成十九年十二月に上り本線の仮線切替えを行い、高架橋(2、3層部分)の構築を進めている。また、糀谷駅部にあっては、平成二十年三月に下り空港線の仮線切替えを行い、四月には、上り空港線の仮線切替えを予定しており、駅部高架橋の構築を進めている。
このように、事業は精力的に進められ、現在の進捗は半分を超え、順調に推移している。事業に必要な用地取得にあっても、多くの地元の方々にご協力をいただき、約八〇%が取得済である。今後とも関係各所・地元住民のご理解とご協力をいただきながら、安全に工事を進め、平成二十四年度の全線立体化を目指していく。