持続可能な財政基盤を構築
東京都は十八日、平成二十年度予算原案をまとめた。一般会計の規模は六兆八千五百六十億円で、前年度比で二千五百四十億円、三・八%の増加となった。このうち都税は、法人二税の好調な伸びを受け二千六十七億円、三・九%の増となっている。このほか特別会計(十七会計)は四兆三千三百十八億円、公営企業会計(十一会計)は二兆千九百七十八億円で、全体の予算規模は十三兆三千八百五十五億円となる。前年度比で三千百三十六億円、二・四%の伸びとなっている。財務当局は、「『十年後の東京』の実現に向けた取り組みを加速するとともに、いかなる状況変化の下でも、その取組を支えることのできる持続可能な財政基盤を築き上げる予算」として予算案を編成、目配りの効いた内容となっている。
二十年度予算原案の内容を見ていくと、まず、二十年度は昨年末にまとまった「十年後の東京実行プログラム二〇〇八」の初年度となることから四千七百六億円を計上、取り組みを本格化させる。
さらに今後、大規模な都施設の多くが更新期を迎える。更新経費は今後概ね十年間で八千億円程度にも上ることから、予算原案では六百二十億円を計上、計画的な改築・改修を進めるため「大規模施設等の改築・改修に関する実施方針(仮称)」を策定する。
一方、今後、都税の減収や歳出の増加要因などにより、都財政を取り巻く環境が厳しさを増すことが予想される。都では基金の創設や取り崩しによって対応する考えだ。
昨年末、石原知事と福田首相との会談で、都の法人事業税が国税化されることが決まったことも都財政における不安要因のひとつ。都の試算によれば、この暫定措置によって平成二十一年度には約二千八百億円、平成二十二年度には約三千二百億円のマイナスが生じることになる。
このため法人事業税の減収による行政サービスの低下が生じないよう、平成十九年度最終補正予算で「法人事業税国税化対策特別基金(仮称)」を創設する。
基金の活用については、スポーツ・文化振興交流基金、地球温暖化対策推進基金、福祉・健康安心基金を取り崩し、それぞれの施策の推進に充てる。
19年度補正予算を編成
来年度予算案の「備え」
東京都は十八日、二十年度予算原案と合わせ、十九年度の最終補正予算案をまとめた。
今回の補正予算は、法人事業税の国税化による減収など、いかなる状況変化があっても「十年後の東京」の実現に向けた取り組みを安定実施するための「備え」として編成された。
歳入は三千七百八十三億円を確保、歳出は千五百五十三億円となり、差し引いた二千百八十五億円を全額、新設された「法人事業税国税化対策特別基金(仮称)」に積み立てる。