2008年9月20日号
鳥瞰 「自転車をもっと活用しよう。」
最もエコな乗り物だから、東京の環境整備を進めようでないか
路面電車の復活を書いたら、思った以上に色々なご意見が寄せられた。
それに味を占めたわけではないが、この東京の交通機関としての自転車を今一度考え直してみたい。
ノルウェーのトロンハイムでは、自転車に乗ったまま片足を乗せると、秒速2mで坂道を登ってくれる自転車用のリフトが設置されている。年間100クローネ(約1700円)の料金を払うと、カードが支給され、そのカードを差し込むと足を乗せる台が出てくる仕組みで、急坂を登る市民の大いなる助けになっているそうだ。
世田谷区では、昨年から道路を青く塗った自転車専用レーンを設置しているが、それとてまだまだ狭い範囲に止まっているし、駐車している車があったり、自転車同士の追い越しには既存の車道にはみ出す危険があるしで、とても安心して利用できるレベルにはなっていない。
CO2削減のムーブメントは日増しに強くなるものの、市民レベルでの対応となると、所詮限りがある。東京を狭く使うためにも路面電車をと訴えたが、その流れで申し上げれば、積極的な自転車の活用にはまだまだ余地がある。
自転車専用レーンの設置の為に、既存車道を一車線無くすぐらいの思い切った施策で、自転車が走りよい環境整備を進めない限り、急速な普及は望めない。電動アシスト自転車もすっかり定着して来ているが、これだって時速20km程度に制限して、初めから自分で踏まないでも走る仕組みにしたら良いではないか。
高齢者を考えれば、電動車椅子の感覚で使える電動自転車があり、それが安心して走れる環境整備が進むなら、都市の生活も随分違ったものとなるはずである。闇雲に自動車に頼る暮らしではなく、そんな新しい智恵を持って、石油高騰に対応する術だって有りではなかろうか。