2008年4月20日号
鳥瞰 「更なる観光立都を目指そう」
観光インフラとしての道路を考えて見よう

 気が付いて見れば、東京の街もかなり外国人に優しい街作りが進んで来ている。

 街路の各種表示も、ローマ字表記は当たり前になりつつあるし、公共の交通機関にしてもローマ字表記に加えて、英語、韓国語、中国語などの表記が見られるようになって、かなり分かりやすくなって来てはいる。

 しかし最も不親切なのは、道路の行く先表示で、ひどく気まぐれに書かれているとしか思えない。例えば「池袋」を追いかけて車を運転していても、肝心の池袋に来ても、何処にも「池袋」とは書いていない。従って知っている人しか分からないし、もっとひどい場合は、その池袋が途中から突然消えてしまい、自分がどちらに向いているかも分からない。

 もう30年以上も前の話だが、フランスから延々スペインまで、車で移動したときのことだ。昨今話題のミシュランが発行するガイド・マップを見ながらの旅だったが、国道は赤、県道は黄色と色分けされた地図の道と、道路標識は同じ色だから、分かりやすいことこの上ない。ローマ字さえ判別すれば、言葉は不要で、見事に初めての旅に迷うことなく目的地に行けた。しかも街の入り口には必ず地名が分かりやすく表示され、自分の居場所を知ることが出来た。

 残念ながら、モータリゼーションの到来が叫ばれてもう半世紀。

 道路特定財源の問題が言われているが、政治家の票とお金になる幹線道路や高速道路は作られても、なにか道作りの概念が違っているとしか思えない。

 観光客の消費は、生活者の七倍と言われている。もっと観光客に優しいインフラの整備を進めることによって、もっと多くの観光客を呼び込むことが可能となるし、それが国を潤す糧となることを考えようではないか。

 現在の日本を見てもらうことによって、理解を深め、正しい認識を市井の人々が持ってもらうことが、どれだけわが国の国益に叶うかを知るべきだろう。

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