さらなる人と自然に優しい社会を目指し
課題解決につながる多彩な事業を展開
大和リース株式会社
建築とリース事業を原点に、商業施設開発、環境緑化、公民連携など複合的な事業展開を推進している大和リース株式会社。そのなかでも近年は建物の省エネ・創エネ性能を高めるZEB建築や誰もが働きやすいインクルーシブな職場環境整備の推進、都市に緑をひろげて防災対策にもつながる環境緑化に積極的に取り組んでいる。都内のまちづくりにも導入されている多彩な取組について、現場で取り組む担当者たちに話を聞いた。
新築建築物のZEB化を同社が手がける建物全体の4割に
同社はサステナビリティ経営の一環として、2019年に「大和リースSDGs経営方針」を打ち出したが、その1年前から着手しているのが、負荷抑制・自然エネルギー活用・システム効率化による省エネとともに、再生可能エネルギーを導入した建物「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の実現に向けた取組だ。同年3月にZEBを規格化したシステム建築商品『ダイワステップZEB』を商品ラインナップに加え、以後、着実にその数を増やしている。
「現在は、必要なエネルギーを50%以下に減らす高効率省エネ建物ZEB Readyの拡大に注力しています。特に弊社は非住宅に対して、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)への申請、認定数は日本トップクラスにあり、手がける建物全体でも2022年には新築物件のZEB率約4割を占めるまでになりました。ただ、我々が最終的に目指すのは、手がける全棟でのエネルギー消費実質ゼロのZEBの実現です」(関東設備部設備一課の松本杏菜さん)
女性工事職による環境改善チーム ウエアや休憩所などをプロデュース
自然や環境との共生を進める一方、その建物づくりを行う「人」のインクルーシブな取組にも積極的だ。
同社は2019年4月に、女性工事職の職場環境改善を目指したプロジェクト『DLあかつき小町』を発足。「あかつき」は夜明けや明け方、「小町」は評判の良い女性を意味し、「女性自身が望む未来を作ろう」という意味を込めた。発足時は6人だったメンバーも、2024年には18名体制になり、定期的な座談会や情報交換を行っている。
「メンバーの意見を参考に、ヘルメットや作業用シャツ、暖房着、ハーネス、安全靴、レインウエアなど、女性が使いやすい機能性や色彩の制服を選定しました。また、女性が利用しやすい休憩所はすでに現場で活用が進み、軽自動車を活用したムービングオフィスも開発中です」(『DLあかつき小町』メンバーの一人でもある工事部の郡絵美さん)
「東京グリーンビズ」のパートナーに 緑化を豪雨災害対策にもつなげる
東京都が100年先を見据えた緑のプロジェクト「東京グリーンビズ」。今年3月、その取組を相互に発信するコラボレーションパートナーの募集があり、同社も6月に認定された。
「弊社が壁面緑化を担当した有明ガーデンは、同プロジェクトで公開されている東京グリーンビズマップに掲載されています。認定されたことで、今後さらに都内での環境緑化に力を入れていきたいと思います」(公共営業部中央省庁・都庁担当営業三課の北野美里さん)
この認定を踏まえて、二つの壁面緑化商品を開発予定。ひとつは、雨水を再循環させて緑化の維持に生かす商品、もうひとつは、軽量化を実現した商品だ。
「弊社は、東京都と雨水流出抑止を含めた治水対策に取り組む『雨水しみこみアンバサダー』と、工事用の仮囲の緑化を推進する『仮囲緑化実証実験協力者』にも認定されています。前者の商品は雨水流出を抑える効果もあり、後者は軽量化により仮囲壁面でも設置できる機能を持ち、それぞれに大きく貢献できると期待しています」(環境緑化営業所営業二課の牛山真里さん)