東京の防災力を高めるための新たな取組(2)
新たな被害想定に対する東京消防庁の防災対策
/東京消防庁 防災部
昨年5月、東京都は10年ぶりに見直した「首都直下地震等による東京の被害想定」を公表した。10年前と比べ、建物の耐震化やまちの不燃化は格段に進んだが、未だ甚大な被害が懸念される。東京消防庁の新たな震災対策について、防災部副参事(地域防災担当)消防司令長の山根朋公氏にうかがった。直近では、令和2年3月に「基本方針」を改定し、令和3年3月には、「整備プログラム」を改定した。計画期間は、基本方針が令和3年度から令和12年度までの10年間、整備プログラムが令和3年度から令和7年度までの5年間としている。また「木密地域不燃化10年プロジェクト」として取り組んできた「不燃化特区制度」を令和7年度まで5年間延長した。
「防災講話」と「まちかど防災訓練」
—新たな被害想定の公表により、東京消防庁の防災対策も見直されることになったのでしょうか。
山根 火災による被害として、死者が約2500人、焼失棟数が約12万棟と想定されています。一方で防災減災対策による被害軽減効果も示されました。
東京消防庁としては依然としてこれだけ大きな被害が想定されることを重く受け止め、具体的な対策を進めています。
—例えばどのような取組ですか。
山根 まず着目しているのが初期消火率の向上です。普段の生活において、火災が起きた時に初期消火ができれば、当然火災の被害は少なくなりますし、いざ大きな地震が起きた時も、自分のまちや自分の家を守ることができます。
消防庁では町会、自治会の方を中心に防災訓練を行っていますが、これまでの防災訓練は消火器の取扱いのみに集中していた感があります。これからはなぜ初期消火が大切なのかを理解した上で、防災訓練を行うことが大事だと考え、防災訓練参加者に対して訓練の前に行う「防災講話」を推奨しています。
みなさん、自分たちが暮らす地域のどこに防災倉庫があって、どんな防災資機材が入っているか、あるいは街頭消火器がどこに設置されているか意外とご存じないですよね。
防災倉庫は公園等の隅に設置されていることが多く、中には消火栓、防火水槽等に繋いで使う消火ポンプや、避難する時に使うリヤカー、ハンマーやノコギリといった救助資機材が入っています。街頭消火器は歩道などに設置されています。こういうことをあらかじめ知っておくことが、初期消火に対して極めて有用なのです。
—実際の防災訓練の仕方も変わるのでしょうか。
山根 はい。これまでは公園等で行われていましたが、これからは資機材が入っている防災倉庫まで取りに行って、燃えている家に対して消火をするような、実際の街区を使った防災訓練をしていきたいと思っています。「まちかど防災訓練」と言っていますが、より実戦的な防災訓練を提案していきたいです。
デジタル機器を活用し 防災訓練を充実
—新たな被害想定の公表により、東京消防庁の防災対策も見直されることになったのでしょうか。
山根 火災による被害として、死者が約2500人、焼失棟数が約12万棟と想定されています。一方で防災減災対策による被害軽減効果も示されました。
東京消防庁としては依然としてこれだけ大きな被害が想定されることを重く受け止め、具体的な対策を進めています。
—例えばどのような取組ですか。
山根 まず着目しているのが初期消火率の向上です。普段の生活において、火災が起きた時に初期消火ができれば、当然火災の被害は少なくなりますし、いざ大きな地震が起きた時も、自分のまちや自分の家を守ることができます。
消防庁では町会、自治会の方を中心に防災訓練を行っていますが、これまでの防災訓練は消火器の取扱いのみに集中していた感があります。これからはなぜ初期消火が大切なのかを理解した上で、防災訓練を行うことが大事だと考え、防災訓練参加者に対して訓練の前に行う「防災講話」を推奨しています。
みなさん、自分たちが暮らす地域のどこに防災倉庫があって、どんな防災資機材が入っているか、あるいは街頭消火器がどこに設置されているか意外とご存じないですよね。
防災倉庫は公園等の隅に設置されていることが多く、中には消火栓、防火水槽等に繋いで使う消火ポンプや、避難する時に使うリヤカー、ハンマーやノコギリといった救助資機材が入っています。街頭消火器は歩道などに設置されています。こういうことをあらかじめ知っておくことが、初期消火に対して極めて有用なのです。
—実際の防災訓練の仕方も変わるのでしょうか。
山根 はい。これまでは公園等で行われていましたが、これからは資機材が入っている防災倉庫まで取りに行って、燃えている家に対して消火をするような、実際の街区を使った防災訓練をしていきたいと思っています。「まちかど防災訓練」と言っていますが、より実戦的な防災訓練を提案していきたいです。