検査を受けることは愛情です。
“大切な人に会うために”“人が集まる場所や他地域へ行くために”、新型コロナウイルスに感染しているかどうか、検査したい人は多いだろう。しかし、感染しているかもしれない人が集まる医療機関に出向くのは躊躇いがある。ICheckは、自宅で、自分で、簡単に検査できるキットだ。また、PCR検査サービスでは確定診断まで行える。本サービスを開始したICheck株式会社代表取締役、金子賢一さんにお話をうかがった。
自宅で、自分で、簡単に。新型コロナウイルスの抗原の有無をチェック!
—新型コロナウイルスの検査というと、病院に行ってPCR検査を受けるというイメージですが、ICheckは自宅で調べることができるんですね。
金子 ICheckは、自宅にいながら自分で簡単に新型コロナウイルスの抗原があるかどうかチェックできる検査キットです。これはShanghai LiangRun Biomedicine Technology Co.,Ltdが研究開発した免疫検査キットで、金コロイドイムノクロマトグラフィー法によって新型コロナウイルスの抗原を迅速かつ簡便に検出するキットです。
ほかに、新型コロナウイルスの抗体を保有しているかどうかを調べる抗体検査キットや、新型コロナウイルスの有無を調べるPCR検査キット(感染の有無は要オンライン診療)、インフルエンザの抗原も同時に検査できる検査キットがありますので、目的に応じて検査していただけます。
抗原検査とPCR検査は唾液で、抗体検査は血液で検査するのですが、抗原抗体検査に関しては15分程度で検査可能です。ちなみに陽性検出率は94%(抗原)、95%(抗体)と非常に高性能となっています。
抗原検査の結果、陽性の疑いとなった場合は、我々のシステムにご登録していただき、説明書記載の弊社提携医療機関へご連絡をいただければ、無料でPCR検査キットをご自宅へ郵送いたします。唾液を採取して検査センターにご郵送いただくと、到着後最短3時間程で、ご登録の携帯電話上にて陰性か陽性かご確認いただける仕組みとなっています。
—そこで陽性だった場合は?
金子 提携医療機関によるオンライン診療後、保健所に引き継ぐことになります。後は各自治体の保健所と個人様とで、その後の対応を決めていくという流れです。
—つまり入院が必要か、自宅待機か、といった指示がくるわけですね。
金子 そうです。
私としては、クラスターを防ぎたいということを最大の目標と掲げていましたので、自宅で検査して、オンライン診療を受けることによって確定診断までしてもらえる仕組みを作ることが大事だったんです。
それにPCR検査は、実は“大切な人を守る”ということでもあるんですね。例えば、東京から地方に住んでいるご両親に会いに行く時など、「PCR検査を受けてきて」と言われることがあるようですが、感染しているかもしれない人が検査へ行っている場所には出向きたくない。“自宅でワンストップで確定診断までしてもらえるサービス”なら安心ですよね。
PCR検査は始めたばかりですが、もしも陽性であれば、追加でもう一人分のPCR検査キットを無料でお届けすることにしています。自分の大切な人、濃厚接触したかもしれない人っているじゃないですか。その人にプレゼントしてくださいということで。
また、セブン&アイ・ホールディングス様とも提携を進めていて、今後様々なところに本キットの自動販売機を置いていただく予定です。気になったらすぐに検査できるシステムを日本中に展開していきたいと思っています。
人のためになり、社会性があり、事業性がある 三方よしの企業を目指す。
—もともとはコンサルティングの会社だったのですよね。
金子 人を支援するのが好きなので、10年前にコンサルティング業務の会社を作って様々な会社を支援していたんですが、新型コロナウイルス感染症の発生によって、投資先企業やコンサル先企業が急激に事業を縮小したんですね。私の会社自体が影響を受けたということもあるのですが、実をいうと私が2年前に好酸球筋膜炎という難病になったんです。
これで新型コロナウイルスに感染したら死ぬかもしれないと思っていたところ、友人から抗原抗体検査キットのことを聞き、さっそく仕入れることにしました。毎週日曜日に従業員と一緒に検査して、陰性だったら出社しよう、陽性だったら保健所に電話しようと決めたんです。去年の4月といえばマスクを用意するのも大変だったでしょう。社員もすごく喜んでくれました。
“三方よし”という言葉がありますね。人のためになって、社会性があって、事業性がある。この三方よしが今まではなかなか難しかったんですが、ICheckは、みんなに喜んでもらえて、社会の役に立って、お金をもらえる。最高にうれしいじゃないですか。それで、コンサルティング会社をやりながら、去年の12月にICheck株式会社を立ち上げたんです。
—SKE48や歌手の島谷ひとみさんがアンバサダーに就任されるなど、若者向けのPRに力を入れていますね。
金子 20代、30代の方々が新型コロナウイルスの感染を拡大している傾向があるので、東京都医師会の尾﨑治夫会長と一緒にポスターを作ったり、ポップアップストアで若者向けに啓発活動をしたり、渋谷のスクランブル交差点と原宿のラフォーレ交差点のビッグビジョンで、定期的に啓発活動の映像が流れるようにもしています。
また、企業に対しては「どうする?企業のコロナ対策」という番組をTOKYO MXテレビ様と作りました。各企業のコロナ対策や、どうやって乗り越えたかという、世の中を明るくするようなニュースを紹介する活動も進めていきたいと思っています。
—これからは検査キットの開発もする予定ですか。
金子 私たちはベンチャー企業でまだ資金も少ないので、今は世界中の優良な企業とどんどんアライアンスを組んで、良い商品をカスタマイズさせてもらい、日本のクオリティをもって提供していきたいと思っています。
よくポストコロナといわれますが、私自身、今回のことで検査の重要性を改めて実感しましたし、将来的には自分で簡単に当たり前に検査ができる時代が来ると思います。我々はすでにICheckという検査システムを売り出すことができています。がんや糖尿病、アレルギーなど、新型コロナウイルス以外の検査も手軽にできる検査マーケットを拡大するお手伝いができればと思っています。
そして将来的には、家で簡単に定期的に検査して、そのデータを元に健康管理をしていけるようなサービスを提供できればと思っています。
イベントやスポーツを支援して、社会を明るく元気にしたい。
—ICheckで集めたデータの提供も行っていますね。
金子 日本政府もビッグデータを意識していると思いますが、新型コロナウイルス感染症は最近の病気なので、よくわからない部分が多いですよね。我々も産官学医の力を借りて、企業・団体・個人様から定期的に取得するデータをビッグデータとして構築していく予定ですが、そのデータが新型コロナウイルス感染症のさらなる発生を抑えるための活動へと繋がっていければと考えています。
また、ICheckを通して無症状者の実態を調査していくことにより、企業クラスターへのリスクマネジメント、個人のセルフマネジメントを支援できればうれしいですね。
—国が抗原検査キットとPCR検査に助成金を出すと言っていますので、もっと安く検査できるようになると思います。イベントなども開催されるようになるといいですね。
金子 そうですね。実は4月29日に日比谷公園大音楽堂で「NAONのYAON」というイベントがあり、我々も参加することが決まっているんですよ。まず関係者全員が、事前にICheckで検査し、本番前日に再度検査を行って安全を確保します。おそらく緊急事態宣言解除後初めての5千人規模のイベントになるので、ぜひイベントを成功させて、オリンピックにつながるような動線が作れたらうれしいと思っています。
実際、一部のオリンピック選手や、ライフル射撃協会とアーチェリー協会にはICheckを使っていただいています。このシステムを使うと協会のスタッフが、家での選手の検査データを一括管理できるので、ステイホームか練習可能かという指示が出せるんですね。
飲食関係のことがよく話題になりますが、アーティストやスポーツ選手などイベント関係の方も非常に苦しんでいます。私自身イベントもスポーツも好きなので、できる限り支援して、少しでも社会を明るく元気にしたいと思っています。
—最近はオンラインが普通になりましたが、やはり生の臨場感とは違いますからね。
金子 全然違います! それにこういう時だからこそ、人と人のつながりとか、コミュニケーションって大事だと思うんですよ。でもオンラインだと上手くコミュニケーションが取れないし、発想も膨らまない(笑)。
—ところで、ICheckのIとは?
金子 3つの意味があるんですよ。“I”つまり“私”をチェックする。“インターネット”でチェックできる。そして“愛”!
—愛、ですか。それがいちばん大事かもしれませんね。愛があるから、みんなチェックするんですものね。
金子 最近の若者はえらいと思ったのは、自分は新型コロナウイルスにかかってもいいけど、人にうつしたくない、お母さんとお父さんにうつしたくないと言うんですね。おばあちゃん、おじいちゃんに会いに行けないとか、孫に会えなくて悲しいという話もよく聞くので、特に若者にはICheckを使ってもらいたいと思います。
おかげさまでICheckはたくさんの方に支援していただいていますが、これからは、社会に必要とされる会社しか残らないと思うんです。ICheckが、みんなが安心して暮らせる世界を取り戻す一助となれば、こんなうれしいことはありません。世の中に貢献して、利益を出していく社会的企業を目指して、がんばっていこうと思います。
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