来年度予算案の質疑はじまる

  • 記事:遠藤 直彦

開催中の都議会第1回定例会は4日、本会議を開き、令和2年度補正予算案や契約案など19件を賛成多数で可決した。9日から予算特別委員会が開会、来年度予算案に関する質疑が本格化している。9日の総括質疑では都議会各会派から計6名が登壇、新型コロナウイルス対策、防災対策、子育て支援などについて小池知事はじめ都側と一問一答形式で質疑を行った。都議選を控えた今期都議会最後の予算質疑だけに、各会派がそれぞれ成果を強調する場面もあった。開催中の都議会第1回定例会は4日、本会議を開き、令和2年度補正予算案や契約案など19件を賛成多数で可決した。9日から予算特別委員会が開会、来年度予算案に関する質疑が本格化している。9日の総括質疑では都議会各会派から計6名が登壇、新型コロナウイルス対策、防災対策、子育て支援などについて小池知事はじめ都側と一問一答形式で質疑を行った。都議選を控えた今期都議会最後の予算質疑だけに、各会派がそれぞれ成果を強調する場面もあった。

予算特別委員会9日の様子 コロナ対策などで論戦

  9日に質疑を行ったのは、都民ファーストの会、自民、公明、共産、立憲民主の各議員。

〈新型コロナウイルス対策〉

 緊急事態宣言が今月21日まで延長された。都は「新規感染者数は下げ止まり傾向にあり、医療提供体制がひっ迫している」と都民に警鐘を鳴らしている。この問題については各会派が様々な角度から取り上げた。

 都民ファーストの会は、医療従事者のワクチン接種について、予定される量よりも大幅に少ないことに懸念を表明。「60万人の都内医療従事者に対するワクチン接種を着実に進めるべきだ」と迫った。

 小池知事は「ワクチンの供給は、当初のスケジュールから大幅に遅れている。今後、医療従事者へのワクチン接種が円滑に進められるよう、国に必要な量のワクチンを速やかに確保するよう求める」と応じた。

 自民は、飲食店等の時間短縮要請により、「関連する多くの事業者が廃業や倒産に追い込まれる可能性がある」として、都の対応を求めた。

 小池知事は「国で一時支援金が実施されることとなった。都は支給額の要件の緩和など、一都三県で歩調を合わせながら、国に対して繰り返し要望している」と答弁するに留まっている。

 公明は新型コロナウイルスの後遺症専門の相談窓口の設置を迫った。小池知事は「都立、公社病院の患者支援センターに、今月をめどにコロナ後遺症相談窓口などを設置する。息苦しさやせきなどの呼吸機能をはじめとした後遺症の相談に応じるとともに、その知見を蓄積していく」と答弁した。

 共産は、「新型コロナを抑え込むために今必要なのは、従来の枠を超えた徹底した検査を行うことだ」として、6万8千件の検査能力を活用した検査を行うべきと都に迫った。

 初宿福祉保健局健康危機管理担当局長は「都は感染拡大時にも確実に検査需要に応えられるよう、関係機関と協力し必要な体制を確保している」と答弁するに留まった。

 立憲民主は、「地域の診療所が新型コロナウイルス感染症を診察するにはオンラインが非常に有効だ」と、オンライン診療を行う医療機関をもっと増やす必要があると質した。吉村福祉保健局長は、「今後とも必要な方が円滑に受診できるよう、オンライン診療に取り組む医療機関の支援等を行う」と答弁している。

〈子育て支援〉

 都民ファーストの会は、都が来年度から出産応援事業を開始することについて「我々の要望が実現した」と主張。都は現在、子育て支援サービス、そして育児用品などの提供を担う事業者の選定などを進めていることを明らかにした。

〈女性活躍〉

 自民は、管理職の都女性職員の、その先のキャリアアップについて質した。小池知事は、「男性、女性問わず、誰もが自分らしく輝くことができるよう積極的に取り組む」と応じた。

 公明は、都の審議会における女性委員の任用数を一層増やすよう求めた。山手総務局長は積極的に取り組む姿勢を打ち出した。

〈都立病院等の独法化〉

 共産は、都立病院等の独法化により東京での医療ツーリズムが検討されているとして「富裕層へ東京の貴重な医療資源が振り分けられる」と主張、都を厳しく批判した。一方、答弁に立った梶原副知事は、「富裕層のためだけの医療をやるという考えは持っていない」と反論した。

 〈選択的夫婦別姓〉

 立憲民主が、小池知事に制度の是非について質したところ、小池知事は「私個人は以前から、選択的夫婦別姓についてはイエスだ」と答弁した。

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