自転車のマナー改善を

  • 記事:平田 邦彦

目に余るルール無視は取り締まり強化で

 長引く巣ごもり生活の影響もあって、出前で料理を宅配させることが当たり前になっている。新たな宅配事業社の参入を見てか、町中では出前の自転車が急増している。

 多くの場合、事業者と配達人の関係は雇用ではなく契約なので、重大事故が発生しても事業者は責任を負わない。しかし、この配達人の中には酷く交通マナーの悪い者がいて、信号は守らない、通行区分は逆走する、甚だしきは両耳にイヤホンを入れていて、とても周囲の音は聞き取れまいと思しき輩もいるのだ。

 現行法規ではそれらは許されていないから、明らかに違法行為に違いないのだが、取締りが行われないのをいいことに、傍若無人極まりない。

 仮に捕まえても免許証の携帯は義務付けられていないから、個人を特定できる身分証明がなければ、警察も踏み込み切れない。

 明治時代に自転車が登場した時には、免許制度が実施されたと聞くが、すぐに消滅して今日に至っている。簡便で便利な乗り物として自転車はなくてはならない存在だが、それも乗り手次第で、無法な乗り手を取り締まる罰則規定の施行とか、もう少し厳しい取締まりをお願いしたい。

 何でもかんでも規制を強めることが良いとは思わないが、無法がはびこることは市民生活に大きな障害となってきている。それを考えれば止むないことなのだ。

 乱暴な運転で、本人がケガするのは自己責任としても、他人を傷つけ、時には命を奪う事故が発生する危険性を放置することは許されない。

 信号で停車する車の間をすり抜け、反対車線に飛び出し、信号も無視して走って行く姿を見ると、慣れているからこそできる技としても、ハラハラせざるを得ない。

 コロナ不況のさなか、新たなアルバイト仕事と、志願者には事欠かないとも聞くが、だからと言って事業者も含めた罰則規定を整備し、無法を封ずる手立てを考えるべきではないのか。

 普段車で移動することが多い小筆としては、日常的にこうした危険を目の当たりにする。

 それは、起動に力を必要とするから、走り出したら止まりたくないのが自転車の特性で、できるだけ走り続けたい気持ちはよく分かるが、だからと言ってルール違反は許されない。

 議員諸兄姉、警察ご当局の各位は是非お考えいただきたい。このままでは更なる事故が増えることは間違いない。ぜひ人命が失われる危険に目を向けていただきたい。

 さすがに子供さんを乗せた電動ママチャリにそんな姿は見えないが、そのママチャリが犠牲になる危険性は存在する。あれが倒されたら起こしにくいほど重いだけに心配する次第だ。

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