肌と環境にやさしい洗剤「イオヌレン-デ」の販売

未来プランニング株式会社

  • 取材:種藤 潤

 日本にある世界トップクラスの技術・技能—。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。

 近年世界的に注目を浴びた「プラスチックストロー問題」のように、環境保護等のサステナブル(持続可能)な活動は、国内でも今後ますます広がることが予測される。今回取り上げる洗濯用洗剤「イオヌレン-デ」は、可能な限り環境に配慮した商品であり、機能性の高さから、洗濯以外の家事全般に使える上、さらには介護や災害現場での活用も期待されている。

洗剤「イオヌレン-デ」

「イオヌレン-デ」は現在3タイプの容器で販売。左から新たに加わった5リットル、500ミリリットル、80ミリリットル(提供:未来プランニング株式会社)

 かつて海洋汚染の原因といえば「産業排水」であったが、その後の規制強化や企業努力により、大きく改善された。近年は「プラスチックストロー問題」に代表されるように、消費者の活動そのものが環境に影響しているという意識が高まり、なかでも身近な問題として、洗濯や台所、風呂、トイレなどの生活排水が注目されている。

 洗濯の排水については、日本は下水道処理技術により、ほとんど環境に影響はないとされているが、それでも使用する洗濯用洗剤は、分解されにくいとされる界面活性剤が最小限で、かつ原料は天然由来、そして分解されやすい成分で構成されているものが望ましいのは言うまでもない。また、合成繊維を洗濯することで発生するマイクロプラスチックも、環境負荷の要因のひとつとして指摘されており、洗い、すすぎの回数自体を減らすことが理想とされている。

 こうした背景から、環境配慮型の洗濯用洗剤は増加しつつあるものの、洗い、すすぎの回数を減らすことができる商品は、まだほんの一握りだ。そのひとつが、今号で紹介する「イオヌレン-デ」である。

100%植物由来で高い分解力
節水効果も高くすすぎゼロ

 「イオヌレン-デ」は、他の洗濯用洗剤に使用されることが多い合成香料やリン、漂白剤、防腐剤等の添加物は一切使用せず、100%植物由来。香料としては、ラベンダー等の天然成分を配合している。そして、独自のナノテクノロジーによる洗浄技術により、汚れそのものだけでなく、微粒子化された洗浄成分までも分解する。この効果は、OECD(経済協力開発機構)が定める国際的な試験法で、自然環境中の微生物により、有機物を水と二酸化炭素に分解しやすい「易生分解性」と認められている。高い分解力のおかげで、使用量自体を最小限に抑えることができるのだ。

 さらに、独自の洗浄技術には汚れや油の再付着を防止する機能もあり、洗うときの水量で、すすぎ洗い後と同等の状態を実現。つまり、すすぎ洗いゼロでよい(※)。これにより、現行の洗濯方法と比較して、水量は約半分になり、電気代も節約でき、洗濯回数自体の減少にもつながるという。

(※)衣類が多い場合、汚れやにおいが気になる場合、水の消費量が少ないドラム式の場合は、すすぎ1回を推奨

きっかけはタンカー事故処理
希釈すれば食器や浴槽洗いも

 これらの特徴がもたらすメリットは、高い洗浄力や環境負荷軽減にとどまらない。まず、植物由来であることで、日本皮膚科学会認定専門医により安全性が証明されており、アトピーや敏感肌の人でも安心して使用できる。次に、中性のため、ウール、シルク、ダウン、さらには防水性素材も洗うことが可能だ。さらには、ナノテクノロジーにより繊維が1本1本立ち上がり、やわらかくなるので、柔軟剤を使う必要がない。つまり、あらゆる洗濯が1種の洗剤で完結するので、結果、手間やコストがさらに削減できるのだ。

 加えて、「イオヌレン-デ」は、希釈度を変えることで、風呂、食器洗いなど洗濯以外にも活用できる。さらにこれを使用することで排水パイプ自体も洗浄でき、防臭防カビ効果もあるという。

 「イオヌレン-デ」に用いられている技術は、海洋タンカーの事故処理をきっかけに開発された。事故により海に流出し、海洋汚染の原因となる油分を分解、無害化する特殊技術を参考に、研究と開発に5年、検証に1年をかけて、商品化に成功したという。

未来プランニング株式会社の白井圭子代表取締役

未来プランニング株式会社の白井圭子代表取締役

SDGsでは9つの目標に該当
介護施設や防災現場でも

 環境問題に敏感な方は、近年日本でも多くの企業が取り組みはじめている「SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)」を連想するだろう。事実、「イオヌレン-デ」は17ある開発目標のゴールのうち、「3:すべての人に健康と福祉を」「6:安全な水とトイレを世界中に」「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」「10:人や国の不平等をなくそう」「12:つくる責任 つかう責任」「13:気候変動に具体的な対策を」「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」の9つに該当している。

該当するSDGs9項目

「イオヌレン-デ」は、持続可能な17の開発目標「SDGs=Sustainable Development Goals」のうち、9項目に該当している

 同商品を販売する未来プランニング株式会社の白井圭子代表取締役は、家庭はもちろん、事業施設等にも活用を広げ、サステナブル(持続可能)な社会を実現したいと意欲を見せる。

 「介護施設では、洗濯や台所仕事の手間やコストを省くだけでなく、防臭面でも効果が期待できます。また、水が極力使えない災害現場では、すすがなくて済むことは非常に重要だと思います。こうした業務用の需要も見越して、新たに大型の5リットルサイズを商品化しました。さらに大量使用であれば、個別に業務用の対応も可能です。とにかく試していただければ、効果はお分かりいただけると思います」

 同社のホームページhttps://www.ionuren-de.jp/ では効果検証の動画もアップされている。まず目で見て、そしてぜひ一度その洗浄力を体験することをおすすめしたい。

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