小池氏が再選３６６万票余りを獲得

東京大改革２.０を推進へ

　６月１８日告示の東京都知事選は７月５日、投開票が行われた。２２名が立候補した今回の知事選、現職で２期目を狙った小池百合子氏が再選を果たした。得票数は前回の２９１万票を大きく上回る３６６万１３７１票。公約に掲げた「東京大改革２・０」の推進に都民が期待を寄せたことになる。

　２２名が立候補した今回の知事選は、小池都政４年間の評価や新型コロナウイルス感染症対策、五輪開催の是非などを焦点に展開された。

　各候補は密を避けるためにネットを通じて政策を訴えた。街頭演説を行い有権者に支持を訴える、これまでの選挙戦のシーンも都内各地で見られたが、感染症の影響か、足を止めて耳を傾ける有権者はこれまでの選挙戦より少なかった。

　また、各候補者が出そろうテレビ討論が実施されないことから、ある候補者はそのことに苦言を呈するツイートをしている。

　そんな中、現職の小池氏は感染症対策などの公務を優先、会見の様子などが連日テレビで放送されたことで終始優位に立っていた。

　当選確実の一報が届いた小池氏は会見で「都民ファーストの都政、情報公開、賢い支出などからなる東京大改革を進めてきた４年間に対しての都民の皆様のご支援、ご支持、その成果かと考えている」と挨拶。

　新型コロナウイルス感染症対策としてＣＤＣ（疾病予防センター）の設立、災害対策の推進等の他、「人に焦点をあてた都政」の実現に意欲を見せた。

　その他の主な候補では、野党統一候補として３度目のチャレンジとなった宇都宮けんじ氏が８４万４１５１票、れいわ新撰組の山本太郎氏が６５万７２７７票、前熊本県副知事の小野たいすけ氏が６１万２３５０票を獲得している。投票率は５５％。

　３６６万票と前回の２９１万票を大きく超える票を集め、再選した小池氏。これまで以上の都民の支持を得たことで、都政運営にもいっそうの自信を持ってあたることが見込まれる。

　現在、最も対策が急がれるのは、やはり新型コロナウイルス感染症対策だ。

　新たな陽性者が１００名以上続く中、小池知事は１５日、緊急会見を開き、都内の感染状況について、レベル４の「感染が拡大していると思われる」に引き上げ警鐘を鳴らした。

　そして今後の大きな課題としては、都財政の運営があげられる。

　新型コロナウイルス感染症対策として何度か補正予算を編成したことで、都の貴重な貯金である財政調整基金の９割が取り崩された。税収のほとんどを法人税に頼る東京都からすれば、新型コロナウイルス感染症により企業活動が落ち込めば、都税収入に悪影響を及ぼすことは必至だ。

　明るい材料が見えない中、小池知事の信任厚い前財務局長の武市敬氏の副知事就任、新任の潮田勉財務局長という布陣が固まった。どのような手腕を発揮するか、大きな関心が集まりそうだ。

　来年に予定されている２０２０東京大会についても開催について意見は２分されているのが現状。現在は小池与党が多数を占める都議会だが、都議選の行方も気になるところ。２期目を迎えた小池都政の船出は混沌としそうだ。

　小池知事再任後初めての議会となる都議会臨時会が１７日に開会した。２７日までの会期１１日間。付託された議案は予算案２件と条例案１件の計３件。

　予算案は一般会計補正予算案（第７号）と病院会計補正予算案（第４号）。一般会計補正予算案の予算規模は３１０１億円。病院会計補正予算案の予算規模は３１億円。

　新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止するための対策に２６２０億円、経済活動と都民生活を支えるセーフティネットの強化・充実に５０１億円、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組に９億円、社会構造の変革を促し直面する危機を乗り越える取組に２億円があてられる。

　条例案は「東京都知事の給料等の特例に関する条例」の一部改正。都政改革の推進に向けた知事の決意及び市政を明らかにするために特例措置を設ける。

　都議会議員補欠選挙の投開票が５日行われ、北区、大田区、北多摩第３、日野市の４選挙区全てで自民候補が当選を果たした。

　当選したのは、やまだ加奈子（北区）、鈴木あきまさ（大田区）、林あきひろ（北多摩第３）、西野正人（日野市）の４氏。いずれも７日付けで都議会自民党に所属した。これにより自民は会派所属議員数が２６となり、公明を抜いて都議会第２会派となった。各会派の所属議員数は以下の通り。

　都民ファ５０、自民２６、公明２３、共産１８、民主５、東京みらい３、ネット１、自由１、欠員０