次亜塩素酸水生成タブレットの製造販売、噴霧器のリースなど
株式会社グリーンウェル
日本にある世界トップクラスの技術・技能—。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
今回紹介するのは、「ジアグリーン」という「次亜塩素酸水」を用いた新しい除菌消臭システムだ。従来の「次亜塩素酸ナトリウム」よりも高い除菌効果に加え、安全性も高く、保存もしやすいという。これを空間に噴霧し、感染リスクを事前に防ぐ「ゾーンディフェンス」を提唱。「見えないおもてなし=除菌消臭」で、2020年以降の東京のまちをさらに安全・安心・快適にしていきたいと意気込む。
昨年末からインフルエンザに感染する人が目立っている。ここ数年は夏頃から感染リスクはあると言われ、特に学校や病院、高齢者施設など、免疫力が低いこどもや高齢者が多い場所では、イフルエンザ予防は通年の課題となりつつある。
その除菌対策として、近年は「次亜塩素酸」が用いられることが多いが、その多くは正確には「次亜塩素酸ナトリウム」のことを指す。実際、除菌力はアンモニアなどに比べて高く、インフルエンザやノロウイルスへの効果もあるとされる。しかし、ボツリヌス菌など「芽胞菌」には効果がなく、一方でアルカリ性のため取り扱いに注意が必要とされている。
今回取り上げる除菌消臭システム『ジアグリーン』も「次亜塩素酸」を用いるが、厳密には「微酸性次亜塩素酸水」である。その成分の99%以上が水で、しかも微酸性であるため、安全性が極めて高く、かつ前出の「芽胞菌」を除去できる高い除菌効果を持つという。
タブレットを水に溶かして次亜塩素酸水を生成
「次亜塩素酸水」自体は、決して新しいものではない。少し専門的な内容になるが、「次亜塩素酸水」とは、「0.2%の塩化ナトリウム水溶液または2〜6%の塩酸を電解して得られる水溶液」と定義され、2002年6月には厚生労働省に「食品添加物」として指定されている。その電解する仕組みはすでに事業化され、業務用に食品工場などで導入されてきた。また、電解した「次亜塩素酸水」そのものを販売している事例もある。ただし、『ジアグリーン』のような一般消費者も使用できるような商品は存在しなかった。
『ジアグリーン』は、「トリクロロイソシアヌル酸」と呼ばれる成分を加水分解して、微酸性の次亜塩素酸水を生成する仕組みだ。その「トリクロロイソシアヌル酸」および固形化する成分とpH調整成分などをタブレット化し、水に溶かすだけで誰でも手軽に次亜塩素酸水ができる。ポイントは、タブレットを密封する包装技術にある。一般的な密封方法だと、タブレットが空気中の水分を吸収してしまうが、『ジアグリーン』の特殊技術も用いた包装ならその心配はなく、最長2年間の保存が可能であるという。
微細な粒子で噴霧し確実に空間を除菌する
タブレットで生成した「微酸性次亜塩素酸水」は、専用機器で空間に噴霧させ、空間を除菌消臭する。『ジアグリーン』の製造販売を行う株式会社グリーンウェルの水野昇代表取締役は、「ゾーンディフェンス」(空間=ゾーン自体を常に除菌する)という言葉で普及を目指す。
空間に噴霧させる方法自体も、加湿器や空気清浄機などの普及もあり、決して珍しいものではない。だが、『ジアグリーン』はその噴霧する粒子の細かさにこだわり、確実に空間を除菌できる仕組みをつくりあげた。
従来の噴霧機の粒子の細かさでは、実は水溶成分は空間を浮遊することなく落下してしまう。しかし『ジアグリーン』の専用機器により超微粒子の状態で噴霧すれば、落下することなく空間や壁、天井、床に付着し、それぞれを除菌消臭することができるという。『ジアグリーン』だからこそ、空間を「ゾーンディフェンス」できるのだ。
東京を未知の感染リスクから“ゾーンディフェンス”
株式会社グリーンウェルは、「我慢するエコから安全・安心・快適なエコ」社会の実現を目指し、環境負荷の少ない「無電極ランプ」や「LED照明」の製造販売を行ってきた。そのなかでさまざまな縁から「微酸性次亜塩素酸水」に出会い、その高い除菌消臭効果と安全性に着目。新たな事業として『ジアグリーン』を開発し、昨年より本格的に販売をスタートした。
「ゾーンディフェンス」の活用シーンは幅広い。冒頭の学校、病院、高齢者施設の感染予防はもちろん、飲食店や食品スーパー、さらには近年問題の鳥インフルエンザや豚コレラによる感染防止にも応用できる。災害発生時の避難所の感染症対策としても期待され、実際、昨年の台風19号の被害にあった被災地で試験的に使用したところ、高い除菌消臭効果が見られたという。
水野代表取締役は、特に東京は2020年を契機に、「空間」の除菌予防を急ぐべきだと語る。
「インバウンド需要が高まり、現在すでに多くの外国人が東京に訪れていますが、今年は東京オリパラ大会が開催され、さらに大勢の多様な外国人が訪れることが予想されます。その際、日本にはない感染症が持ち込まれる可能性があり、新たなリスクが生まれます。未知なる感染が起こってからでは遅い。空間の事前予防が必要であり、『ジアグリーン』による『ゾーンディフェンス』の力を是非活用してほしいと思います」
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