航空路案の課題等を整理へ
都は、小笠原諸島の振興開発事業を進め、自立的発展を目指すことを目的とした、「小笠原諸島振興開発計画」をまとめた。令和元年度から5年度までの計画期間で、実現可能な航空路案の取りまとめに向けた課題の整理と検討を推進することなどを盛り込んでいる。
小笠原諸島振興開発計画
計画ではこれまでの小笠原諸島の振興開発について、おがさわら丸、ははじま丸の新船が平成28年7月から就航したことなどにより、「生活・交通・産業基盤の整備は相応の成果」が出ていると評価する。
一方で、本土から1000㎞の遠隔地にあることによる産業発達の遅れ、外来種の侵入による希少な自然環境への影響、交通アクセスの不便さ、福祉・医療・保健の充実、施設の老朽化や防災対策などが課題として指摘された。
今後の取り組みとしては、道路や港湾といったインフラ基盤の整備で、おがさわら丸のドック期間中の代替船確保に向けた支援を実施する。また、ははじま丸のドック期間中の代替船老朽化への対策も検討する。
産業振興では、生産基盤の整備や技術の改善・普及等による農水産業の振興を図る他、産業との連携による小笠原ブランドの定着・普及も行う。
住宅や生活環境面では、老朽化した小笠原住宅の建て替えの推進、浄水場の建て替えを行う。医療面では画像電送システムの更新により、へき地での診療活動を一層充実する。
防災面では、避難支援体制の強化、防災教育等による地域防災力の向上を図る他、砂防、地すべり対策等の防災・国土保全施設を引き続き整備する。自然環境の保全では、関係機関等と連携した外来種対策等を実施する。