株式会社ライフタイムメディ

  • 記事:山下里美

時間単位の年次有給休暇制度

 働き方改革に取り組む企業の取り組みを紹介するシリーズ第1回目は、訪問介護や通所介護など、地域住民への在宅ケア業務を行っている株式会社ライフタイムメディ。

 「弊社は社員の8割が女性。子育て世代の社員も多いので、女性社員が働きやすい環境づくりを第一に考えました」と話すライフタイムメディ代表取締役の金子正樹さん。その背景には、医療・介護業界で深刻な問題となっている「離職率」の高さがあるという。

 「医療・介護職の離職率の改善のためにどうしたらよいかを以前から考えていました。いろいろな企業を訪問するなかで、時間単位の年次有給休暇制度という取り組みに出会いました。それまでにも社員から、『1時間だけ有給休暇を取りたい』という声があったこともあり、これだ!と思い、2017年10月から取り入れました」

 例えば、「子供が熱を出して病院に連れていくので、これから1時間の有給休暇をとりたい」といった、急な申し出にも対応しているため、社員からは「有給休暇が取りやすくなった」とすこぶる好評で、医療職(看護師)に限れば、4〜5割程度だった有給休暇の取得率は6〜7割に上がった。また、管理職に対しては率先して有給休暇を取得するよう指導して、社員が有給休暇を取りやすい環境づくりを心掛けている。

 「この休暇制度を取り入れてからは、弊社の退職者数が80%以上改善し、2018年には5名ほどになりました」と金子さん。求人募集をすると、若い人からの応募も増えたそうだ。

 「社員が健康でないと、お客様に安心感のあるよいケアが提供できません。有給休暇取得を促すことは、社員の満足度が向上し、社員が長期的に働ける環境づくりや、お客様の満足度向上にもつながっているのです」

 働き方改革に対する意識の高さを感じた。

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