10連休を迎えて
祝祭日は多すぎないか
働き方改革が進められて、非正規労働者の待遇格差解消が促進されるのは結構なことだが、それだけで問題が解決するわけではない。
一方で国民祝祭日を見ると、日本は世界の第三位で15日(2013年上半期のマーサーコンサルタント集計による)となっている。
祝祭日を増やさないと休みが取りにくいビジネス習慣こそが問題であって、やみくもに祝祭日を増やせばすむ問題ではないはずだ。
勤労者は年次有給休暇が与えられていても、実際に取得には至らず、繰り越し、または返上のやむなきに至っている例は多い。一方で人手不足を理由として、コンビニその他で、終日営業が取りやめられたりもしている。何かアンバランスな事態になっていると考えるべきではないだろうか。
休日それも連休ともなると、交通機関はマヒするし、道路の渋滞も各地に多発する。これを解消することは、インフラの整備を進めることよりも、そうした習慣を改める工夫を考えるべきと申し上げたい。
ことに今年のような10連休ともなると、市民生活に多大な影響が出ることは避けられない。しかし休暇を個別に取ることが一般化すれば、そうした問題はさほど起きずにすむのではないだろうか。
さらに言えば連休前後の過重労働も避けられないとなると折角の休みが生かせない。
急に体が変調をきたしても、医師は地域当番で、開いてはいても混雑しているだろうし、売薬に頼りたくもドラッグストアが最寄りにはなかったりもする。観光地は混雑を極めるし、価格も押しなべて高くつく。せっかくの休みにのんびりしたくても、何処に行っても人ばかり、結局安らげないこととなる。
子育て世代では学校が休みでなければ一緒に過ごせないから、一斉休暇が良いと言われるかもしれないが、要は管理運営のシステムの問題で、学校に全てをゆだねることが教育ではないはずだ。
インフラ整備というハードウェアに限りがある以上、これを上手に使うシステムを考えない限り問題は解決しない。10連休を迎える今年、一緒にお考えいただこう。