築地再開発などで論戦

  • 記事:遠藤 直彦

第4回定例会代表質問

 第4回都議会定例会は19日、知事提出の全36議案を可決し閉会した。主な焦点は、築地市場跡地の活用を巡る再開発や地方との共存共栄、情報公開など。11日に行われた代表質問から定例会の議論を振り返ってみる。

市場会計の有償所管換えを検討

 11日の代表質問に登壇したのは、小山くにひこ氏(都民ファ)、山﨑一輝氏(自民)、橘正剛氏(公明)、尾崎あや子氏(共産)、宮瀬英治氏(民主)の5氏。

【地方との共存共栄】

 国の税制改正で東京の財源が地方に分配されている現状の中、小山氏は東京と他の地域が共存共栄できる取組を進めるべきだと主張。小池知事は「東京と地方は共に支え合う重要なパートナーだ。幅広い様々な分野で全国との共存共栄に向けた取組を推進する」と述べた。

【築地再開発】

 中央卸売市場会計を持続可能とするため、築地市場跡地を一般会計に有償所管換えすべきとの声が以前から都議会にある。橘氏が改めて小池知事に見解を求めると、小池知事は「築地再開発は中長期的な時間軸に立って段階的に整備することを検討している。今後の市場会計の持続可能性の検証にあたっては一般会計への有償所管換えを軸に検討を加速する」と前向きな姿勢を見せた。

  山﨑氏は、築地再開発に関して検討が進められているまちづくり方針について、その内容を質した。小池知事は「東京全体の成長と魅力の発信に寄与する新たなまちづくりに向けて、まちづくり方針の検討を進めている」と説明した。

 尾崎氏は、歴史学の学会から、築地市場が文化遺産であり歴史的意義と学術的価値があると評価されていることを紹介、都の認識を質した。村松中央卸売市場長は「旧築地市場の建物や取引の様子などを映像に記録しており、こうした貴重な資料を後世に伝える」と答弁するに留まった。

【旧こどもの城跡地の取得】

 青山の国有地である旧こどもの城跡地は都が取得するために予算が計上されていたが、小池知事就任後に白紙撤回となった。その後第3回定例会で再び取得を表明、来年度予算要求で600億円が計上されている。

 山﨑氏は「白紙撤回がなければ本来は370億円で取得できたものがコストが膨らんでいる。高値で購入するというのは明らかに知事の失政だ」と迫った。

 小池知事は「国有財産を随意契約で購入するには、恒久的な使途を定めておくことが不可欠であり、具体的な使途がないまま国から購入することはできない」とかわした。

 橘氏は取得の必須条件として、具体的な利活用方策と周辺都有地を含めた将来の一体的な活用の構想を明らかにすべきだと主張した。小池知事は「子供から高齢者までが利用できる都民の城として具体的な利用形態を示したい」と意欲を見せた。

【情報公開】

 宮瀬氏はオリンピック経費に関する会議の議事録がなく、都が非公開としたことについて、「会議がブラックボックスになっている」と批判、非公開を見直すべきと迫った。小池知事は「今回の事案は公文書の管理に関する条例の制定前ではあったが、今後、公文書の作成・保存を適切に行い、都政のより一層の透明性向上を目指す」と答弁している。

【幼児教育無償化】

 小山氏が国の幼児教育無償化に向けた都の対応を質したところ、小池知事は、東京都待機児童対策協議会において国からの情報提供や意見交換を数回、実施しているとして「今後、国の動きを踏まえながら適切に対応する」と述べるに留めた。

    

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