新工場立地の助成を全国に
地域を超えた高齢化、過疎化対策に
都は中小企業支援策として、多くの助成を行っているが、地方進出となると助成の対象外となっている。
全国的に過疎・高齢化が進む中で、企業誘致のための様々な施策が講じられているが、新規の進出が果たされないでいる地方自治体は数多い。都はそうした地方進出を図る中小企業に対しても支援策を拡げるべきではないだろうか。
企業誘致のために地方自治体は税制上の優遇措置、低利の貸付、住居斡旋、就職支援など様々な施策を用意している。しかし、なかなか対象となる企業に出会えないのが実情だし、進出する方も情報集めに苦労している。
本社ごと移転される場合を除けば、業容拡大は都の税制上問題はないし、地元に雇用が生まれる地方自治体とすれば願ったり叶ったり。インフラ整備に要した投資も回収できるし、活性化にもつながるとして大歓迎されること間違いない。進出する企業とすれば、単に用地が取得できれば済むものではなく、水の供給、排水の水質基準、電気、ガスの供給、若年労働者の確保、交通インフラの完備、半製品の供給体制、従業員の生活利便性の確保など、検討すべき項目は数多い。
自社にとって理想的な進出拠点を見つけるのは、そんな様々な視点からの適正を見極める必要がある。
都はそうした地方進出を目論む企業に対しても積極的な支援策を講ずべきで、地方進出によって業容拡大が図れれば、事業税収入も増えるし、進出後の工場跡地の有効活用による活性化も期待できることにはならないだろうか。島嶼、多摩地区への進出に留まっている新立地支援は、なにも東京都内に限定することなく、地方進出も視野に入れて考えるべきと提言したい。
受け入れる側の支援は当然として、送り出す側もそれなりの支援策を作り出すことによって、地方の活性化、過疎の解消を果たすことになる。国に都税を差し出す代わりに、そんな施策の財源とすることを対案として国に向かい合っては如何だろうか。
石原知事時代には2千億円の都税を国に上納する代わりに羽田の国際化を条件として引き出した実績がある。次年度は偏在是正措置として9千億円という巨額の都税が国に治められると漏れ聞くが、ふるさと納税で目減りさせられた上に、上納金の増額などごめん被る。都民を守る対案をもって、都民への行政サービスを充実させて欲しいと願いたい。我々は得べかりしサービスを失っているのだ。