シクラメン
クリスマスや年末年始に向けて、花屋の店先を彩るポンセチアや、冬のリビングを彩るシクラメンといったウィンターフラワーの出荷がピークを迎えている。東京は大消費地に近いことから切り花や鉢植えなど、花きの生産量は全国でも上位を誇っている。
年末の風物詩として定番の鉢物シクラメンは、都内で年間約35万鉢が生産されている。
都内にはいくつかのシクラメン栽培農園があり、消費者が生産者の栽培温室で、好きなシクラメンを選んで購入する直接販売方式が定着している。この時期のハウスの中は、見事のひと言。見るだけで楽しくなる。
生産者は人気の色や品種を増やしたり、鉢や装飾に工夫をしたり、寄せ植えをしたりと、常に工夫して生産に取り組んでおり、東京生まれのシクラメンもある。シクラメンは、本来香りはほとんどないが、東京都では香りのあるシクラメンを開発。柑橘系のさわやかな香りの「さわや香ミディ」、甘いバラの香りの「おだや香」の生産が始まり、人気を呼んでいる。
新宿から北西へ約40kmの位置にある瑞穂町は、特産品であるシクラメンの生産量が都内最大を誇っている。特に長岡地区の「シクラメン街道」は、数多くの温室が並んでおり、12月中旬まで、どの温室内でもシクラメンを販売している。生産者によって栽培品種が異なるので、いくつかの温室をはしごするのが通だとか。
また、大田区の「馬込シクラメン園」の波田野章さんは、「私たちは心を込め、買われる方、贈られる方の、笑顔を思いながら我が子のように育てております。当園にお越しになり、30数品種、1万鉢の中から、お気に入りを、お持ち帰りください」と話す。
●瑞穂町・シクラメン街道花き研究会/
http://www.cyclamenroad.com/
●馬込シクラメン園/大田区中馬込3・20・13
Tel 03・3771・5901
http://www1.ocn.ne.jp/~syclamen/