2008年3月20日号
うど農家須崎農園を訪ねて
東京名産「うど」は今が旬
うどは数少ない日本原産の野菜の一つで、古代から自生のものが利用されていた。東京で栽培されるようになったのは、江戸時代後期。冬から春にかけて野菜が不足する時期に生産されるので、重宝されていた。独特の歯ざわりと香りで、庶民に歓迎され、江戸の名産となり栽培が続いている。
立川市の専業農家・須崎雅義さんは、うどを中心に数種の野菜をおよそ2・5haの畑で生産している。
「最も多い時期は東京全体で500戸くらいの農家がうどを作っていましたが、今では100戸を割り、生産量も減ってきています」と言う。
うどは、朝鮮人参と同じウコギ科に属し、薬効もある。いろいろな調理法で食べられるので、ぜひ味わってほしい。
「東京で農家を続けるには、我々の力だけでは難しい。いかに元気でいられるかは政策にかかっています。一時期東京に農業はいらないという政策がとられ、苦しい時期もありましたが、これからは東京での農業発展が重要だと思います。
決して農業は楽な仕事ではありません。これからも続けられるよう、都知事をはじめ、都民の皆さんに応援していただきたいです」と話していた。