2008年1月21日号
世界で最も環境負荷の少ない都市を実現
新規事業が目白押し
「実行プログラム2008」にみる環境施策

 東京都の長期計画「十年後の東京」の今後三年間の実施計画となる「十年後の東京への実行プログラム2008」が昨年末に策定された。石原知事が「二十一世紀の都市モデルへと飛躍する第一歩」と位置づけた同プログラムにはハード、ソフト両面にわたりさまざまな施策が提示されているが、中でも知事が力を入れている環境施策に重点が置かれているのが目を引く。新規事業を中心に環境施策の目玉をみてみた。

大規模事業所の総量削減義務化

 環境確保条例を改正し、平成二十二年度からCO2の排出が多い事業所に対して、排出総量の削減を義務化する。制度の導入に当たっては、これまでの削減実績を反映させ、優れた事業者が評価される仕組みとする。

 なお、総量削減の義務化と併せて排出量取引制度を導入し、他の事業所の削減量の取得も可能とする。さらにグリーン電力証書の購入も取引対象とする。

中小企業向けの金融支援策創設

 最新の省エネ設備等の導入を促進するため、省エネ対策に積極的な事業所への低利融資制度を創設する。都内の金融機関に対しては、環境投融資の拡大やその実績の公開を要請する。

 また中小規模事業所の対策を促すため、金融機関やフランチャイズチェーン方式のコンビニなど、個々の事業所単位では中小規模でも、企業単位では一定規模以上のエネルギーを使用する事業者について、本社に対して対策状況の提出を義務付ける。

太陽エネルギー利用の導入拡大

 家庭での太陽エネルギーの導入を大幅に拡大するため、太陽光発電メーカーや電力・ガス事業者等と連携して十年程度で初期投資を回収できる仕組みづくりに向け「三ヵ年モデルプロジェクト」を展開する。さらに家庭でエネルギー消費量の多い給湯等の効率化を図るため、高性能機器の認定制度を創設する。

 一方、再生可能エネルギーの導入拡大では、多摩産材などの木質系バイオマスを下水汚泥焼却時に混合し、化石燃料の使用量を抑制するなど、東京都が先進的な取組みを進める。

地球温暖化対策の拠点整備など

 中小企業や家庭での温暖化対策の拠点として、「地球温暖化防止活動推進センター」を設立、幅広い普及啓発やきめ細かな相談業務などを行うとともに、中小企業や家庭のCO2削減対策を支援していく。

 さらに、事業者の環境に配慮した取組みについて、都の物品調達の際にインセンティブを与える仕組みを構築するとともに、都が預金を行う金融機関の決定にも反映させる。

大規模都市開発でのCO2削減

 総合設計などの都市開発制度の適用条件に、建築物の省エネ性能などが一定の水準以上であることを新たに追加、客観的な指標に基づく評価を行えるようにする。

 また、大量かつ高密度にエネルギー需要が生じる大規模都市開発におけるCO2の削減を図るため、地域冷暖房計画制度を再構築し、開発計画の初期段階で、開発エリア内でのエネルギーの有効活用に関する計画書の作成を義務付ける。

個別建築物への対策強化・拡充

 平成二十年度に環境確保条例を改正し、「建築物環境計画書制度」の対象となる延床面積の要件を引き下げ、中規模レベルの建築物にまでCO2削減対策の強化を誘導するとともに、省エネ性能の最低基準を設定し、全体のレベルアップを図っていく。

 さらに、既存住宅の省エネ改修を促進するため、設計手法や工法を募集・評価し、リフォーム業者向けのガイドを作成する。また、高い断熱性能を持つセラミック系材料を活用し、断熱クロスなど建築物の省エネ性能向上に役立つ新製品の開発を促進する。

都有施設等での率先的対策推進

 都有施設の新改築や大規模改修の際に、世界でもトップクラスの建物仕様である「省エネ東京仕様2007」を全面的に適用する。さらに自然光や熱、風を直接取り込んだり、再生可能エネルギーの積極活用を進めるための指針を策定するほか、街路灯や都立公園内の電灯を省エネ型の照明に転換して消費電力の削減を進める。

低公害、低燃費車両の普及促進

 環境確保条例の改正により、低公害車の導入促進、低燃費車両の優先的な利用を促進する仕組みを構築するとともに、大規模小売店などの貨物取扱量の多い事業者に対して、自動車環境管理計画書の作成を義務付ける。

 また、都庁は庁有車の削減に向けたルールを策定、平成二十一年度から本格実施するほか、更新時により低燃費な自動車を導入する。

廃プラスチックの埋立ゼロ協定

 東京から発信する廃棄物対策の一環として、埋立処分量ゼロに向け、リサイクルに取組む排出事業者をはじめ、廃プラスチックの小口回収や再生利用を積極的に行う処理業者と都が協定を締結して、廃プラスチックのリサイクルを今まで以上に推進する。こうした取組みにより段階的に廃プラスチックの処分場への受入れを減らし、平成二十三年度当初に受入れ量をゼロにする

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