子どもの頃に読んだ本によってその土地への夢が膨らみ、いつかは行ってみたいと思い描く人は多いのではないだろうか。シルクロードへの旅……。20年かけて、その夢を実現したのが、自ら「シルクロード雑学大学」を主宰する長澤法隆氏だ。
あこがれのシルクロード
長澤法隆氏(54)は、中国の西安とイタリアのローマを結ぶ約15000kmのシルクロードを20分割し、主に夏休みを利用して、シルクロード好きの仲間と一緒に20年かけて自転車で走破し、見聞するという方法を考えた。
1993年の4月に西安を出発。計画は着々とすすみ、2012年にはローマへ到着する予定だ。
新聞記事の呼びかけにより、これまで延べ約300名の参加者が集まった。12歳から74歳まで、女性が3分の1を占めている。スケッチや写真撮影を楽しむために、自転車ではなく徒歩とバス移動を組み合わせての参加者もいるという。
その一人である建築家の岡野一馬氏(78)は、60代からアジア、中東を旅し、近年は「シルクロード雑学大学」の企画する旅に参加している。旅をする際はいつもスケッチブックと絵の具を携帯。シルクロードを歩きながら何枚ものスケッチを描いた。岡野氏がスケッチする時間はだいたい30分ほどで、皆が休憩をとっている間にササッと描いてしまうという。シルクロードの空気を感じるようなスケッチは、独学と思えないほどすばらしいものだ。
異国を感じる12ヵ月
その岡野氏のスケッチが、2009年の「たまおこしの暦」になった。
たまおこしの暦は、多摩地域で活動する市民グループが、多摩の木材と紙、人のネットワークを活用した卓上暦。高さ15〜17cm、幅18cmのスタンドは、多摩地域で伐採された杉や檜の間伐材を使用。スケッチが描かれた紙も東京の木の紙(多摩の木材25%、古紙75%)だ。
2009年で4年目となる「岡野一馬のシルクロードで巡る旅」の暦には、シルクロードの地図とシルクロードによって日本に伝わった野菜や果物が紹介されたものが添付されている。価格は、税込み1785円。申込みはサンタポスト(TEL & FAX 042・322・7120)まで。