地球温暖化が問題になっている今、環境を守る活動がさかんになっている。
自らがナマケモノになることで、電気やガスなどのエネルギーを使うことをなるべく抑えるスローライフをすすめているのが、一九九九年七月に生まれた市民団体(NGO)「ナマケモノ倶楽部」。南アメリカの先住民に伝わる物語を『私にできること〜地球の冷やし方』という冊子にして配布するなど、地球を冷やす知恵をいろいろと提案している。
このように活動を実践していくことも大切だが、モノが溢れている今、子ども時代から環境教育をすることも見直されている。
ハンガリーの作曲家・教育者であるコダーイ・ゾルタンの“音楽をすべての人のものに”という理念に基づき、一九六八年設立された「コダーイ芸術教育研究所」は、日本のわらべうたを幼児教育の現場に取り入れるなど、さまざまな活動を行っている。
とくに二〇〇五年からは子どもたちへの環境教育に注力。保育者や教育者へ「どうやって子どもたちに環境保護を伝えるか」という課題に取り組んでおり、これまで3回の講演会を開催した。講師の池内了氏は、科学者の立場から地球温暖化の影響やライフスタイルを提唱。ペシャワール会理事の福本満治氏はアフガニスタンで水源確保事業の活動を報告するなど、内容は多彩だ。
また、保育園の実践としては、百五十世帯から“環境を守るために生活の中でできること”を書き出してもらい冊子にする、年長組の野菜を育てる活動の中で“植物の命に気づき、枯らさずに成長させるには毎日よく見て、その変化に気づく。実から種、そして発芽と命のサイクルを体験した”という報告もあったという。
また、よりよい環境を次世代につなぐためにと、目黒区のリサイクル活動から生まれた「エコライフめぐろ推進協会」では、四月からはじまる「わくわくエコライフカレンダー」を作成した。針金をつかわない「エコとじ」を採用したこのカレンダーは、間伐材印刷用紙を使用し、大豆油インクで印刷。中を開けると、小学生向け環境学習講座「めぐろ530(ごみゼロ)大作戦」の紹介や、リサイクル活動などが写真入りで紹介されている。「古着の再利用」や「廃食油の再利用」というような一口メモもある。
毎日このカレンダーを見ることで、子どもたちの環境活動へのきっかけとなるかもしれない。(取材/粕谷亮美)
ナマケモノ倶楽部:http://www.sloth.gr.jp/
コダーイ芸術教育研究所:http://www.h5.dion.ne.jp/~kodaly/
エコライフめぐろ推進協会:http://park15.wakwak.com/~meguro.3r/