2008年8月20日号
舟越 桂 夏の邸宅
アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画
木彫人物像によって1980年代から一貫して日本の現代彫刻をリードしてきた舟越桂(1951年〜)。天童荒太『永遠の仔』、五木寛之『人間の関係』など、書籍の装丁に作品が使われることも多く、あまり美術に関心のない人でもどこかで見たことがあるだろう。
近年は、両性具有の謎めいたスフィンクスのシリーズを手がけ、新たな表現領域を切り開きつつある。また、彫刻と同じくドローイングや版画も重要な創造の領域と考え、ひとつの世界を構成している。
本展は初期から2000年代前半までの、各時期から厳選した珠玉の作品に加え、新作を含むスフィンクス・シリーズの果敢な挑戦をまとめて紹介するとともに、それぞれの領域に等しく光を当て、舟越桂の全体像に迫っている。
もうひとつの見どころは、アール・デコの装飾に彩られた庭園美術館の空間と舟越桂の作品とのコラボレーション。
一般の美術館とは異なる個性豊かな部屋と、そこに置かれた舟越の彫刻、ドローイング、版画が妖しく絡み合い、美術館という空間を魔術的な驚きにみちた「夏の邸宅」へと変貌させている。
舟越 桂 夏の邸宅
アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画
東京都庭園美術館
会 期:9月23日まで ※9月10日休館
開館時間:10:00〜18:00 ※8月31日までは20時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
料 金:一般1000円、大学・専門学校生800円、小・中・高校生・65歳以上500円
●ドレスコード割引:舟越桂の作品が木彫であることにちなんで、木で作られたもの(アクセサリーやハンドバッグの持ち手、サンダルなど)を身に着けてご来館された方は、団体料金でご入場いただけます(割引の併用は不可)。
問合せ:03―3443―0201