2008年4月20日号
<江戸の技と知恵の歳時記>
第4回 端午の節句:鯉のぼりと五月人形
5月5日は端午の節句。その起源は古代中国で、元々は5月最初の午の日のこと。邪気を祓い健康を祈願する日として、その日に菖蒲酒を飲むなどしていた中国の風習が、日本の宮中や武家社会へ伝わった。
鎌倉時代になると「菖蒲」と「尚武(武芸などを尊ぶこと)」をかけて、この日を大切な日とする気風が生まれ、江戸時代に幕府はこの日を重要な日と定める。やがて武家に男の子が産まれると、門前に馬印や幟を立ててその成長と健康を願う日に。これらの風習は庶民へと広まっていったが、幟を立てることが許されなかった庶民は、立身出世のたとえにされる「鯉のぼり」をあげるようになった。
鎧・兜などを飾るのも、本物の武器を持っていなかった庶民たちが厚紙などで兜や武士の人形を作って飾ったのが始まりといわれている。命を守る鎧・兜を飾ることには、子どもが健康で育つようにという親の願いが込められている。