2008年1月21日号
みやびな公家文化20万点の所蔵品
陽明文庫創立70周年記念特別展
宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝
宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝
近衞家は藤原鎌足以来、藤原道長、頼道など長く続いてきた藤原氏の嫡流で、摂政や関白の重職を担う五摂家の筆頭であった。その歴史を物語る重要な文書・記録・宝物は、歴代の当主によって守られてきた。
陽明文庫は、こうした文化財を後世にまで保存継承し、学術の振興、文化の普及に寄与するために、1938(昭和13)年に29代当主近衞文麿が設立したものである。
なかでも藤原氏の摂関政治全盛期に活躍した藤原道長が20年余を記録した自筆の日記である「御堂関白記」(国宝)、名筆の集大成「大手鑑」(国宝)、美麗な舶来の唐紙に和漢朗詠集を書写した「倭漢抄」 (国宝)は圧巻である。
また、江戸中期の当主で書画、茶道、華道、香道に精通した当時の宮廷文化の第一人者である家熙が詞書を自ら清書した「春日権現霊験記絵巻」は、江戸時代の最も優れた絵巻のひとつといっても過言ではない。
加えて、近衞家は皇室とも深いかかわりがあることから、歴代天皇の多くの筆跡が伝えられており、近衞家当主の能書の作品とともに見ることができる。
宮廷貴族による王朝文化から生み出された作品を通して、そのみやびな世界を堪能してみよう。
陽明文庫創立70周年記念特別展
宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝
会期:2月24日まで※月曜休館、祝日の場合は翌日休
会館時間:9:30〜17:00 (入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1400円、大学生・高校生900円、中学生以下無料
問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
花木真写
(京都・陽明文庫 所蔵)
春日権現霊験記絵巻
(京都・陽明文庫 所蔵)
四季花鳥図屏風
(京都・陽明文庫 所蔵)